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闘魂 サバイバル生活者のブログ

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米国債はアヘンにも劣る

米国債はアヘンにも劣る


ベンジャミン・フルフォード「中国が目論む世界支配の正体」(扶桑社)。装丁が際物めいた装丁なのが気に食わないが、非常に勉強になった。しかし、地震兵器と生物兵器は、まだ疑問が残っていて、決定的ななにかが不足している。これをクリアしない限り、共通認識にはなりえないと思う。それを差し引いたとしても面白かった。個々の事実が見事に一本の糸で見事に織り込まれていて、なぜそんな事実に注目するのか、その理由を知るだけでアハである。なるほど、欧米のジャーナリストはそんなことまで考えているのかという訳で、確かに、元フォーブスの記者だけのことはある。ベンジャミン・フルフォードが熱い。たとえば、こんな感じである。

中国3大石油会社のひとつ、中国海洋石油が米石油企業ユノカルの買収に名乗りを上げたのは2005年6月のことだった…

…ユノカル経営陣はビジネスの王道に則って、より高い買収額を示した中国海洋石油への身売りを検討していたものの、予期し得なかった議会の猛反発に萎縮…当然、中国の世論は沸騰した。アメリカが喧伝する「自由経済」のまやかしに、改めて気づいた…

…私は彼にこう言った。「中国は莫大な貿易黒字を米国債の購入にあて、アメリカの経常赤字の穴埋めをせっせと手伝ってきたが、それがいかに意味のないことか、中国海洋石油のユノカル買収に対する妨害ではっきりした。ひとことで言って、米国債はアヘンにも劣る。むかしイギリス人は、中国から銀を搾取するためにアヘンを持ち込んだが、アヘンは中国を蝕みながらも、少なくとも人びとに快楽を与えた。しかし、米国債は何も与えない。感謝や信頼さえも示さない。あんな紙切れにカネをつぎ込むくらいなら、貧しい国々に配った方が、中国の国益にも適っているのではないか…

…アメリカは武力でアフガニスタンを侵略し、ユノカルは改めてパイプライン建設に取りかかることができるようになった。ちなみに、新生アフガニスタンの大統領となったハミド・カルザイは、ユノカルの顧問だった人物である。つまりユノカルは、アメリカの中央アジア攻略で重要な役割を果たすべき国策企業だったのだ。そこに手を伸ばせば、強く反発されることは中国もわかっていたはずだ。では、彼らはなぜ、あえてユノカル買収を目指したのか?それはおそらく、アメリカの真意を見極めるためだったと思われる…

…資源の供給不足に耐え切れなくなった中国がシベリアに侵攻するのを待ち、それに欧米とロシアが包囲して「反撃」し、打ち負かそうというのである。かつて、日本経済を干上がらせ、太平洋戦争へと追い込んだのと全く同じ構図だ。中国はユノカル買収を試みることで、アメリカの反応から、「中国分裂」計画の本気度をはかろうとしたのではないか。そしてその結果は、「対決は避け難し」と出た…



旧宗主国の「略奪と迫害」政策を終わらせた中国

アフリカは54か国、9億人の人口を擁し、鉱物資源など天然資源はきわめて豊かだ。中国のアフリカ外交の特徴は、ひとことで言えば「政治より経済」だ。胡錦涛は2007年2月にザンビアを訪れ、8億ドルの投資と6万人の雇用を生み出す鉱山開発を合同で行うプロジェクトで合意しているが、その際、ザンビアの財務大臣はこう言ったという。「胡錦涛主席のザンビア訪問は、外国首脳の訪問の中では最も成功した例となろう。ほかの国の首脳は、政治的なアジェンダを持ち出し、国連改革と地域紛争のことしか言わない。しかし中国は、人権問題などはあえて持ち出さずに援助を持ちかけ、ビジネスを提案してくれる。経済の発展なしに、どうやって人権問題を解決するのか」もちろん、こうした中国のやり方には欧米諸国から批判がある…しかし果たして、欧米資本のやり方は違うというのだろうか?彼らはアフリカの商業や工業を育成するために投資しているのだろうか?…

…そもそも前章までに見てきたような、旧宗主国による植民地に対する略奪と迫害の数々は、いつの間に帳消しにされたのだろうか。彼らのやり方に比べれば、中国のアフリカ外交などある意味で稚拙であり、ある意味で奥ゆかしいと言える。欧米資本による資源略奪の典型例をふたつ挙げよう…


以上、生活から遊離してしまって、自分の生活のことをもっと考えたくなってきた。知識人でもないし、世界が流動的なのはわかるが、確かに、世界と日本、そしてうちの会社の業績は連動していて、他人ごとでは済まないけれども、一民間人として、知っていることとできることは、やはり分けて考えざるを得ない。なによりもまず生活者なんだから。アドリブで対応する術を身に着けるほうが実生活には役に立つかも知れない。


2008年8月10日 根賀源三


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